企業情報

綿からバイオエタノール生産に成功。衣類リサイクルで循環型社会を

会社名 日本環境設計株式会社 
ホームページ 布・繊維製品から次世代燃料バイオエタノールを生産・循環型社会を実現-「日本環境設計株式会社」 
住所 〒150-6018 東京都渋谷区恵比寿4-20-3 恵比寿ガーデンプレイスタワー18階 
電話番号 03-5789-5579 
代表者名 岩元 美智彦 
設立 2007年1月 
従業員数 3人 
事業内容 リサイクルに関する技術と仕組みを提案するコンサルティング事業
・綿繊維からのバイオエタノール生産技術
・タオル工場での循環型プラントの実現
など、新しい技術と仕組みを提供しています。 
今後の事業展開
ビジョン
消費者も小売も巻き込んだ循環型社会の実現を目指したいと考えています。 
取引希望企業  

代表取締役社長 岩元 美智彦 

エージェントレポート
服が大好きで、毎シーズン旬のファッションを楽しんでいた私。その影に潜むリサイクル問題をはじめて考える機会となりました。特に、今治タオルプロジェクトは楽しみ。多様なプロダクトデザインで有名な今治タオルに新たな顔が加わることも間近でしょう。

(取材者:石川 香苗子) 

経営者インタビュー

貴社が提供する環境事業についてお教えください。
当社の事業は、リサイクルに関する技術と仕組みを提供するコンサルティングだと考えています。
世界中に存在する、リサイクルに利用できる技術をリサーチし、検証。
そしてリサイクルのためのインフラとして使えるよう仕組みづくりを提案します。
例えば、綿からバイオエタノールを抽出することに成功し、現在特許出願中です。
このようなリサイクル技術を発掘しハイクオリティな科学技術を活用してビジネス化していきたいと考えています。
中でも繊維分野への造詣が深いメンバーが中心なので、
まずは繊維リサイクルの仕組みを確立していきたいと考えています。

日本は次々と新しいものを生産していくものづくり産業、すなわち
血液にたとえると動脈部分が特に発達しています。
リサイクル産業は「静脈産業」と言われることも多いですが、
新しく生み出されたものを壊して元に戻し、再度動脈血として使える状態にする産業。
心臓から生まれた動脈血が静脈血として心臓へ戻るように、
繊維分野からはバイオエタノールなどを、携帯電話からはレアメタルなどを抽出し、
再びものづくり産業へと還元し循環型社会を実現したいと考えているのです。
ゆくゆくは繊維にとどまらず、あらゆる分野にて循環型社会形成にむけた、
技術と仕組みを提案していくつもりです。
貴社のバイオエタノール技術について、詳しく教えください。
大阪大学と提携し、綿からバイオエタノール化の技術を研究しました。
バイオエタノールと言うととうもろこしのセルロースから
バイオエタノールを生産する方法がよく聞かれますが、
綿繊維にセルロースが含まれています。
そこに着目し、綿繊維から初めてバイオエタノール用酵素の抽出に成功しました。
プラントを今治の染色工場内に併設し、新たなプロジェクトの礎にもしています。

この綿繊維からのバイオエタノール化については各メディアにも注目していただき、
ワールドビジネスサテライトでも取り上げられたことがあります。
繊維関連の会社に勤めていた私と、研究畑のプロフェッショナルである高尾が
組んだことにより実現できたのではないでしょうか。
循環型社会を目指す貴社が今取り組むプロジェクトを教えてください。
大きく2つあります。

1つは、繊維製品のリサイクル事業を立ち上げています。
FUKU-FUKUプロジェクトと名づけ、2009年に始動。2010年3月には事務局を立ち上げ、
現在2010年の6月頃の本格始動へ向けて参画企業を募っています。
衣料品小売店と提携し、消費者が不要になった衣類を店舗に持参し
小売店のカウンターにて回収して、バイオエタノールなどへリサイクルします。

そしてもう1つは、新しい今治タオルのブランド化。
2010年夏ごろには実現したいと考えています。実は、当社のバイオエタノールプラントは
愛媛県の名産品、今治タオルの染色工場内に併設していただいています。
繊維くずから抽出したバイオエタノールを染色の際のボイラー燃料として使用いただきます。
今治タオルから出た繊維くず由来のバイオエタノール。それで作った、今治タオル。
これが実現すれば、自分で排出したゴミから新しい製品を生み出すという
"地域循環型社会"の新たなモデルのひとつになるはずです。
「地産地消のエネルギー」つまり、自分の地域で出たゴミは自分の地域でエネルギーとして
消費するという新たな形を創りだすことができるのです。

2010年度はこの2大プロジェクトを推進していきたいと考えています。
ご自身が目指す"循環型社会"とは…?
消費者も小売も巻き込んだ循環型社会を目指しています。
"笑顔とコミュニケーションのあるリサイクル"を当社のコンセプトに置いています。
衣類をリサイクルBOXにただ投入した、というのではなく、
例えば子どもさんが衣類をカウンターに持っていくと、お店の人と
「このお洋服がバイオエタノールとして新たなエネルギーになって活躍するんだよ!」
とコミュニケーションが生まれるようなリサイクルの仕組みを作りたいのです。
リサイクル社会は、ひとりひとりが意識して実現できるものです。
それなら、みんなで楽しく、コミュニケーションをとりながら取り組むことができればと
考えています。
蛇口をひねると水が出るのと同じように、使ったものが当たり前にリサイクルされる
インフラの仕組みを整えたいと考えています。
今後のビジネス戦略をお教えください。
生産→小売→消費→小売→リサイクル→生産…と
消費された製品が小売店の元に戻ってリサイクルされる仕組みを
より多くの分野で実現したいと考えています。
現在は繊維が中心ですが、今後はプラスチック、医療、農業などあらゆる分野に
この仕組みと考え方を応用していきたいですね。
一緒に「笑顔とコミュニケーションのあるリサイクル」を育てていけるような企業と
出会っていけたらと考えています。

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