東日本震災のため大分間があいてしまいました。
自らの職責を粛々と果たして行くことが被災地の復興にもつながるものと考え、今日から執筆を再開したいと思います。
さて、前回に続き、管理会計の効用について説明します。このうち今回は、「予算管理」についてご説明します。
経営者の中には、決算を税理士任せにしている方も多いかと思います。そのような経営者から寄せられる質問で意外と多いのが、「売上高は予想通りだったにも関わらず、利益は予想より少なかった。なぜなのか、理由が良く分からない。」というものです。
要因としては、以下のものが考えられます。
1.減価償却費や引当金などの決算整理項目を考慮に入れずに利益を予想している。
2.思ったより費用が掛かっているのに、気づいていない。
また、2の要因としては、以下のものが考えられます。
A.費用の種類を十分に検討していない。
B.費用の発生態様(変動費か固定費かなど)を十分に検討していない。
C.想定外の費用が発生した時に、即座に原因を分析していないため、後で忘れてしまう。
上記の問題を解決するためには、損益の予算実績管理を行うことが必要です。
予算実績管理は、月次で行うことにより、有用性が一層増加します。
月次損益の予算実績管理を行うことにより、以下の効用が期待できます。
1.無駄な費用の洗い出しができ、費用削減に役立つ。
2.資金繰りの精度が向上する。
3.水増し発注等の従業員不正を防止・発見するのに役立つ。
月次予算実績管理表の作成事例については、こちらを参照してください。