管理会計のすすめ(1)

会計にあまり詳しくない経営者の方から頂く相談に、「会社が儲かっているのかどうか良くわからない。」とか、「儲かっているはずなのに、なぜかお金(資金)が足りなくなる。」というものがあります。


このような方にお勧めするのが、管理会計の導入です。


日々の取引を仕訳記帳して、最終的に決算書の形にまとめることを、財務会計といいます。財務会計の目的は、主として外部の利害関係者(オーナー以外の株主や債権者、税務当局など)に対して、会社の財政状態や経営成績を報告することにあります。


これに対して、経営者が、経営上の意思決定や経営効率の改善を図る目的で利用する会計手法を管理会計といいます。


代表的な管理会計の手法には、「資金繰り管理」、「予算管理」、「部門(製品種類)別損益管理」などがあります。


本日は、このうち「資金繰り管理」について解説します。


昔から使われる経営用語に、「勘定あって銭足らず。」というものがあります。これは、利益が出ているのに資金が足りなくなることを意味するもので、こういったことが起きないよう、日頃から資金繰りを管理しておくことが必要であると教えています。


例えば、元手資金ゼロで商売を始めるものとします。50万円の商品を現金で仕入れて、100万円で掛売りし、売掛期間を1か月とすると、利益は50万円出ますが、売掛金が入金になるまでの1か月間は資金が足りないので、借入金などでしのぐ必要があります。


単純化すれば、上記のような活動を資金繰りというのですが、実際の経済活動は上記の例よりはるかに複雑ですので、「資金繰り表」(詳しくはこちら)などを作成して、借入金を起こすかどうかなどの意思決定に利用して行くことになります。

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