企業情報

杉の"バイオポーラス"で排泄物が完全消滅。バクテリアが生きるトイレ

会社名 株式会社バイオセレント 
ホームページ バイオポーラスを利用し、ゴミの残らない「らくらくトイレ」介護用トイレ、山岳用トイレ、災害用トイレ「株式会社バイオセレント」 
住所 〒101-0041 東京都千代田区神田須田町1-30 
電話番号 03-5297-5058 
代表者名 薬師寺 芳堂 
設立 2003年9月5日 
従業員数 3名 
事業内容 屋外型・屋内型バイオトイレ、山岳用トイレ、バニシュレット、パーソナル、介護レット、レッドポット、カーレット・マリンレットの国内総販売元として全国の代理店に向けて販売しています。 
今後の事業展開
ビジョン
バイオトイレを、介護やクレーン用、各種施設はもちろん、災害時に活躍できるトイレとして各家庭にひとつずつ設置するよう動いていきたいと考えています。 
取引希望企業 ◆訪問介護、介護施設など
◆屋外、農作業場などにバイオトイレを設置したい企業さま
◆建築会社さま 

代表取締役 薬師寺 芳堂 

エージェントレポート
社長が元建築業界と聞いて、非常に驚きました。バイオトイレと建築は結びつかないように思えてしまいます。しかし、自社のバイオトイレの独自性や本当に環境に良いこと、そして今後災害時にも役立つという想いをキラキラした瞳で語ってくださる様子に心打たれました。ここまで私たちの生活に実用的だとは思っていなかったので、今後の普及に期待したいと思います。

(取材者:石川 香苗子) 

経営者インタビュー

貴社の"バイオトイレ"、オリジナリティについてお教えください。
コンポストと言われる残さ(ざんさ)、すなわち発酵・分解後のゴミが出ないため
排泄物を完全に消滅させることができる点が大きな特徴です。
中身のチップを交換する必要がないのです。
コンセプトは「日本の里山における梅雨時の状況をバイオトイレに再現しよう」。

バイオポーラスと呼ばれる特殊加工を施した杉のチップを使用し、
バクテリアが棲息しやすい環境を作ることに成功。
樹液を溶かして、表面積を増やし、水分が蒸発しやすい環境にしているのです。
数億、数兆とも言われる土壌菌が組み合わさって、
様々な有機物を分解できるようにしました。
最終的には、炭酸ガスと水と微量の元素だけにしてしまいます。
通常「残さ」(コンポスト)残ってしまうのですが、
それをチップ内の土壌菌が食べ、二酸化炭素と水分として発散してくれる。

排泄物を攪拌・乾燥させるだけでなく、バクテリアの力によって
日本の梅雨時の土壌のように発酵・分解させることで
パルプ100%の有機物でできたトイレットペーパーなら紙まで分解します。
そもそも、今バイオトイレの実用性に注目が集まっていますが…。
そうですね、バイオトイレは日本だけでなくすでにヨーロッパでも採用されていますが
ほとんどコンポスト型です。
微生物(バクテリア)の働きで排泄物が発酵・分解して、
当社のバイオトイレは、洗浄、排水、汚物処理といった工程が不要で、水も使わないため
環境にやさしいエコトイレとして注目されています。
どのようなシーンで使われていますか?
室内は臭いませんし交換が不要ですので、
介護用トイレとして訪問介護や要介護者のいるご家庭で使われています。
また、当社の設立のきっかけにもなっている高層建築現場でのタワークレーン運転室、
原子力発電所の管理区、無人発電所にも活用されています。
山岳トイレとして、熊野古道、山形県鳥海山、国立公園北九十九島、キャンプ場でも
使用されています。山岳トイレの場合、ロッジ型を採用し屋根にソーラーパネルを設置。
太陽光発電による電力でバッテリーに蓄電、トイレ内を温めたり、攪拌したりしています。

多数の人が使用するため、排泄物処理が困難なケースでの利用に役立っています。
社長が"バイオトイレ"に関わったきっかけをお教えください。
もともと100mクラスの高層建築に使うタワークレーンのリース営業に携わっていました。
会社員として36年間、大ゼネコンへ販路を開拓するなど営業に従事していたのです。
そんな中、お客様である建築会社さまから「タワークレーンにトイレを設置できないか」と
要望をいただきます。私は個人的には
「一度クレーンにあがったら昼休憩に降りてくればいいではないか!」と考えていましたが
そうもいかなくなっていました。
女性のクレーン運転手も増え、働きやすい環境の整備が求められていました。
超高層用タワークレーンの場合、始業から終業まで地上に戻れないケースが多いため、
トイレや冷暖房エアコンなどが完備されているケースが多い。
中身を入れ替えないで使用できるバイオトイレを探し回りました。
その過程で出会ったのがこのバイオトイレ。本来介護用に使用されていたトイレでしたが、
クレーン用に改良。現在"レッドポッド"という商品として建築業界に採用されました。
このバイオトイレメーカーの販売権を得てスタートしたのが当社。
現在は、製造をアメリカのレジャー用品メーカー「スプリングフィールドマリンカンパニー」と提携し、
当社は日本・韓国の販売権を持っています。

バイオトイレ、というと環境・エコの視点にのみ目がいきがちですが、
実は超高層建築と密接な関わりがあるのです。
今後、手がけたい事業の方向性をお教えください。
災害対策用のトイレとして、特に高層マンションで女性のいる家庭には置いていただきたい。
"一家に一台"の感覚で、もっと身近なところで使えるようになってほしいですね。
このバイオトイレは電気さえあれば動きます。
現在、災害時の電力復旧はインフラの中で最も速い。
一般の方へ開放されたコンビニエンスストアのトイレは、
水が来なくなると使用できなくなる可能性が高い。
避難所は汚物が積もった粗悪なトイレばかり。
ならば、電力さえあれば動くバイオトイレを災害時に活用してほしいのです。

また、海外展開にも力をいれたいと考えています。
2007年にはオランダの展示会にも出展し、海外での販売も間近。
海外には"杉"の木がほとんどありませんから、当社オリジナルの杉チップで行う
日本発のノウハウを海外へ輸出していきたいと考えています。

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