企業情報

超低コスト、農薬・CO2激減の微生物農法に日米政府も注目!

会社名 株式会社APS 
ホームページ 「株式会社APS」企業に新しい商流を−新商品・新技術をビジネスに変える企画・コンサルティング・ビジネスマッチング 
住所 〒105-0011
東京都港区芝公園1-3-8苔香園(タイコウエン)ビル3階 
電話番号 03-5425-1245 
代表者名 広瀬 陽一郎 
設立 2006年10月19日 
従業員数 6人 
事業内容 ◆新ビジネス・新テクノロジーの発掘・商業化
◆ビジネスの収益構造を変革させたい企業のコンサルティング
◆取引先を見つけ、ビジネスマッチング 
今後の事業展開
ビジョン
アニス農法をより多くの方々に届けていきたいです。また、農業を新たに始めたい方がより手軽に簡単に作りたい作物を収穫できる仕組みを確立したいと考えています。 
取引希望企業 ◆アニス農法で作った野菜を仕入れたい会社
◆アニス農法を農業に取り入れたい自治体
◆新しいタイプの技術はあるが、ビジネスとして成立させたい会社 

代表取締役社長 広瀬 陽一郎 

エージェントレポート
広瀬社長は初対面の人にも大変フレンドリーに接して下さる陽気な方。商社時代に世界各国の人と信頼関係を築く必要があったからだとか。1990年のクウェート侵攻に遭遇した際も、持ち前の明るさとコミュニケーション力で乗り切ったそうです。明るく力強くさまざまな危機を乗り切ったからこそ、今のビジネスにたどりついたのではないでしょうか。

(取材者:石川 香苗子) 

経営者インタビュー

まず、今回注目された新技術「農薬用微生物の量産」について教えてください。
川崎市にある「アニス」という企業が作った新技術「アニス農法」が今回日経新聞でも取り上げられた
「量産できる農薬用微生物」です。

「農薬用微生物」というとわかりにくいですが、
わかりやすく言うと「石油から化学合成して作った農薬の代わりに肥料として使える微生物」。
これが"おから"を使って大量に培養することができるようになったのです。

そもそも農薬は石油からできています。使用するだけで温室効果ガスを排出するのです。
ところが、農薬に代わる有機農薬や微生物製剤にも問題点があります。
有機農薬がとにかく高価格であること、効き目が遅いため収穫量が減少してしまうこと、
さらには有機農薬を作るための施設で大量に石油燃料を使う動力が投入されており、大量の温室効果ガスを排出してしまうこと。
これでは本末転倒です。

2009年3月24日に完成した今回の技術で画期的なのは、
低コスト、環境に優しい、しかも大量生産が可能で収穫量を増やすことすらあると3拍子そろっていること。

豆乳メーカーから毎日何百tと出る"おから"が原料。数十円/kgということも。
しかも、微生物を培養するためのプラントも従来の1/20程度の費用で済み、温室効果ガスを出さない。
ユーザーの手元に届く際も従来の微生物製剤の半分以下の手間と価格で済みます。
…なんといっても、"おから"ですから。
しかも、品質を常にそろえることができるため収穫量は従来と同じかもしくは従来の1.2倍
程度に上昇しさえするのです。

一概に「有機農法」と言っても、本質的に環境のためになっていたかというと違ったんですね。それを、培養時にも、使用する際にも温室効果ガスを減らすことができ、コストも削減できて収穫量を維持できたのは画期的です。
千葉県で育てたトマトではCO2排出量を1.6t減らすことに成功しました。
社長は創業当時から農業関連のビジネスをするつもりだったのですか?
いいえ、違います。
当社は本来様々なビジネスをコンサルティングし、商業化するコンサルティング会社なんです。
私は大手商社出身で、2007年にコンサルティング会社に事業部長として入りました。

その会社の金融事業に特化したソリューションを
MBO(マネジメントバイアウト:事業部長が事業を買い取って会社にすること)して
当社がスタートしました。
大手金融会社とパートナー関係を組んで新ビジネスを手がけたり、
大手アパレルブランドのシューズ部門において
サプライチェーンマネジメント(商品の物流管理)を手がけたりと様々なビジネスを
手がけてきました。
特に、アパレルブランドとの仕事では一時期シューズ部門の再生も実現させたんです。

以前から付き合いのあった「アニス農法」の社長と久々に連絡を取り、
新技術を知りました。
技術力の高さにすぐ気づき、ビジネスのトータルマネジメント、顧客探し、ビジネスマッチング〜メーカー選びまで、
要はビジネス化する部分をすべて引き受けたのが当社です。
大手商社時代には戦争にも遭遇されたとか。様々な困難を乗り切るヒケツは…。
そうですね。1990年のクウェート侵攻時には現地にいました。
ラジオのニュースにも登場したりして。スカッドミサイルというのは、爆弾で怪我をするのではなく、
パトリオットミサイルに撃墜された破片で負傷者が出るんだと、当時冷静に理解してしまいましたね。

大学が外語大のアラビア語学科を出ていたので、大手商社ではサウジアラビア担当。
リヤドに駐在して民族衣装用反物の輸出に携わりました。
クウェート侵攻後はバルト三国など欧州、米州、世界のあらゆる場所を経て国内の仕事に。
常に新しいビジネスを見つけてきて商業化する、この繰り返しでしたね。
政府やマスコミに関わる仕事も数多く手がけました。
今もこの延長で仕事をしてきたのではないでしょうか。

国内外どこでも、初対面の人の心をグっとつかまないといい仕事はできない、
だから誰にもオープンマインドで接しようと心がけて困難を乗り切れたのではないでしょうか。
今回の技術、具体的にどのような場面で導入されるのですか?
日本サブウェイの全店舗で採用中です。
今後も、大手コンビニエンスチェーンや野菜専門スイーツ店、大手電鉄会社、
過疎化対策に取り組む自治体でも導入されることが決まっています。
東北地方や中国地方の中核都市などが代表例でしょうか。

アニス農法の導入によって、化学肥料を使わない、CO2を出さない、そしておいしい野菜が
低コストで大量に生産できるようになります。
つまり、手軽に農業へ参入できるようになるのです。
なので、就農人口が減ってしまった自治体がIUターンで就農する若者を取り込む起爆剤
として導入するケースが増えています。

また、大手外食・コンビニチェーンでは、安心して食べられる食材を
求める消費者ニーズを満たさねばなりません。
もちろん価格は今のまま、もしくは今よりも安く…。
その要望に応えられるのがアニス農法なのです。

実はこの技術、国内の研究所はもちろん海外の大手製薬メーカーや
米国の環境保護局(日本の環境庁にあたる省庁)にも注目されており、世界の飢餓を救い自給率を高めるのに有効な技術
なのです。
今後の事業戦略を教えてください。
「奇跡のリンゴ」が話題になりましたが、「奇跡のリンゴ」クラスの農作物が
手軽に、誰にでも作れるインフラを整えたいと考えています。
A to C(Agriculture to Consumer)と銘打って、農業への参入障壁を取り払いたいのです。
農業をやってみたい若者や、飲食店は多い。しかし何故思うように就農人口は増えないのか。
それは、農業に取り組むには莫大なコストがかかるからです。
広大な土地、トラクター、肥料、技術…どれをとっても資金なくしては手に入らない。
それが、アニス農法の普及によって自宅の庭レベルで
「奇跡のリンゴ」クラスの農作物が作れるかもしれない。
日本では廃液処理の問題で難しかった"店産店消"(飲食店で作物を作り、その場で消費者に提供する)も可能になるかもしれない。
ほうれん草ひとつとっても、「ハヤシライス向けのほうれん草」「カレーライスに合うほうれん草」…そんな「こんな野菜があったらスゴイんじゃないか!」という熱い想いを持つ方が
実現できる農業の場とインフラ、ビジネスマッチングの場を作りたいと思うのです。

そうすれば日本の自給率も食の安全も農業ビジネスも支えることができると考えています。

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