法人設立のメリット・デメリット

なかなか景気が改善しない昨今ですが、サラリーマンや主婦の方がインターネットなどを利用して事業を起こす事例が増えているそうです。


本業を超える収入を副業から得ているような強者もいるそうですが、そのような方の中には、個人事業の形態を続けるか、会社を設立するかで迷われている方もいらっしゃるかと思います。


そこで今回は、会社設立のメリット・デメリットを取り上げたいと思います。


会社設立の検討に当たっては、税務上のメリットのみならず、設立手続に係る経済的・時間的コストや、営業面への影響なども考慮に入れて、総合的に判断すべきですが、ここでは、税務上のメリットに絞って検討を加えます。


簡略化のため、以下のような事業主の方を想定します。

事業収入:3,000万円

事業経費:1,000万円

事業利益:2,000万円


このような事業主の方が、株主が1名の会社(いわゆる1人会社)を設立して、事業利益を全額給与として受け取るようにした場合の、事業主個人に係る税金総額はどのようになるでしょうか。


正確な計算を行うには複雑な場合分けが必要となりますが、一定の仮定を置いて、ざっくりと計算すると、以下のようになります。


個人事業として申告する場合の税金総額:761万円

会社を設立して申告する場合の税金総額:581万円


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概算で約180万円ほど、会社を設立する方が有利となりました。


個人所得税は、所得や家族構成(扶養家族の有無)によって税率や控除額が変わりますので、注意してください(既に顧問税理をつけている方は、顧問税理士に試算してもらうのが良いでしょう。)。


また、上記の計算は平成22年度の税制に基づいて行っていますが、先日公表された平成23年度の税制改正大綱では、法人実効税率の5%引き下げと引き換えに、個人所得税の控除額引き下げ(実質増税)が検討されています。


上記改正内容は、平成24年分以後の個人所得税及び平成25年分以後の個人住民税について適用されるものとされていますので、平成23年中に会社を設立すれば、平成23年分の個人所得については、平成22年税制における計算が適用されます。


税務上のメリットをできるだけ享受するには、なるべく早めに会社を設立することをお勧めします。

 

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