企業情報

"リラックス"を自動計測―うつ病対策や癒しサービスに光

会社名 ファースト・ランニング 株式会社 
ホームページ 生体情報監視システム、心拍計測機能つきウォッチ「ハートメーカー」、ラップ・スプリットタイム計測「LAP MEMORY」、プロフェッショナルストップウォッチなど生体信号に基づく技術・製品開発-「ファースト・ランニング株式会社」 
住所 〒110-0016 東京都台東区台東4-24-7 須田ビル3F 
電話番号 03-5818-5290 
代表者名 倉林 広蔵 
設立 2004年 
従業員数 4人 
事業内容 ◆健康、生体に関わる専門技術・システムの開発・商品化・提供
■エフラン生体情報監視システム
■心拍計測機能つきウォッチ「ハートメーカー」
■ラップ・スプリットタイム計測「LAP MEMORY」
■低価格のプロフェッショナルストップウォッチ
など、数々の技術を製品化、世の中の健康に貢献しています。 
今後の事業展開
ビジョン
より精度の高いデータを出せるよう、臨床データを蓄積し、技術開発に力をいれようと考えています。 
取引希望企業 ■フィットネスクラブ、ヨガスタジオ、エステサロンさま
■うつ病などメンタルヘルスに力をいれたい企業担当者さま
■健康・生体データの蓄積・分析を行いたい研究者さま 

代表取締役 倉林 広蔵 

エージェントレポート
文系の私には難しそうな技術…と思っていましたが、倉林社長は穏やかで、ていねいにわかりやすくご説明くださいました。ひとつひとつの臨床データが大切な事業。そのご苦労は計り知れません。大学や病院など専門施設での利用だけでなく、一般企業や女性にもなじみ深いエステサロンでも活用の道があると知り、とてもワクワクしています。

(取材者:石川 香苗子) 

経営者インタビュー

産経新聞でも注目された貴社の技術。詳しくお教えください。
当社の技術はいくつもありますが、今力をいれているのは「生体情報監視システム」です。
これを利用することにより、リラックス状態を意図的に作りだすことができたり、
身体の安全管理に活用できます。大きく3つの技術があります。

1つは、「心拍変動ゆらぎ解析リアルタイム通信システム」…と、いうと難しくてわからない
かもしれません。
特別な機械によって心拍数を計測、そのまま無線で飛ばし、データを解析する技術です。
人の心拍数には「ゆらぎ」が存在します。一定の間隔で心拍しているわけでなく、
拍動の感覚に細かい揺らぎがあるのです。
この「ゆらぎ」数値をはじめ、副交感神経、交感神経、心拍数、体温を計測。
それを基に、リラックス数値を割り出すわけです。
体脂肪計にも似た機械を手で持ち、そこで得たデータを無線でパソコンに飛ばします。
まず10分間データを蓄積し、現在の状態を把握。その後、音楽を流したりアロマオイルを
炊いたり、ゆったりしていただいたりすることで、リラックス度を計測。
その方がもっともリラックスできる状態を探します。

人がリラックスするためには心拍の「ゆらぎ」数値が大きくなり、副交感神経が高まり、
心拍数が下がることが大切。それがデータとして明確に目に見えるのです。

2つめは「心拍変動ゆらぎ解析ロギングシステム」。
リラックスや緊張の度合いを24時間計測することが可能です。
24時間の中でいつ緊張が高いのか、寝るときか、昼過ぎか…それに応じて
対策をすることができます。

そして3つめは「多人数心拍数同時監視システム」。
チェストベルトを肌に直接装着していただければ、最大50人まで同時に心拍状態を
リアルタイムに見ることが可能なシステムです。
IDと名前を登録すると、どの人が今心拍数がいくつかがデータで見える。
ならば、フィットネスクラブや高齢者向けリハビリ施設など、
心拍数を安全に管理することが必要な場に応用できるのです。

これらの技術を使えば、うつ病の人の心理状態や緊張度合いがデータで算出できたり、
15:00〜16:00ぐらいに緊張状態になるケースが多いとされるIT系プログラマの
メンタルヘルスに役立つことも可能です。
貴社の技術が製品化された具体例をお教えください。
富山大学の和漢医薬学総合研究所の上馬場教授、及び富山のEMテクノという機械メーカーと提携し、
「シローダーラーロボット」を開発し、製品化しました。
シローダーラーとは、ゴマ油を額にたらすことにより心と体を癒す
インドのリラックス療法です。
インドでは、ゴマ油をたらす技は本番の名人しかできない"技"です。
しかし、心拍数、心拍変動数、心拍変動周波数解析値、足の甲の皮膚温を測定することにより
自動制御を実現。

例えば、2℃のゴマ油を200CCで施術した時、もっともリラックスできる数値になるから
同じ状態でごま油を垂らそう、というように
温度、流量、パターンを人それぞれの「癒し」に合わせて自動調節できるんです。
相当気持ちがいいようで、「ロボット博」に出展した時の体験ブースでも、
体験者は、たくさんの人だかりがいるにも関わらずすやすやと寝てしまった。
人の「気持ちよさ」を数値化して、気持ちがいいところを刺激する―かなりの効果があると
わかりました。
NHK富山放送局の取材も受け、地元で放映されたんですよ。
どういったお客さまや場所で活用されているのですか?
オフィスのうつ病、緊張緩和などメンタルヘルス対策、
フィットネスクラブやヨガスタジオでの安全管理、
エステティックサロンの最新機器として、
老人介護のリハビリ施設での体調管理、
オリンピック選手をはじめとしたスポーツ選手に真のリラックス効果を分析する役割。
さらには、自衛隊、宇宙飛行士育成機関、パイロットや軍隊など緊張が命取りとなる
シーンでの活躍が期待されます。

例えば、フィットネスクラブでは50人の心拍数を一度に計測・データ蓄積することが可能。
エアロビクスを行うユーザーに装着していただければ、安全な心拍数でフィットネスに取り組めるか、
インストラクターが管理することができます。
一年分のデータ蓄積もできるので、ユーザーの体調管理やマーケティングにも応用できます。
また、老人介護のリハビリ施設では、リハビリに取り組む高齢者に装着していただけば
安全にリハビリに取り組んでいるか見守ることができます。

このように大学や病院など専門機関から一般企業・民間の施設まで幅広く活用できるところが
医療器具と違って社会貢献度を高めていると言えるのではないでしょうか。
社長は元から健康系がご専門だったのですか?
そうですね。時計メーカーで長く勤めていました。
ランナー用の時計を作ったらいいのではという思いが長くあり、
昔から手がけてみたかった事業なんです。
当社はランナー用の時計開発から始まっています。昨今のランニングブームもあいまって、
よりたくさんの人により楽しくランニングをして欲しいという想いで立ち上げました。
「エフラン ハートメーター」というランニング用、水泳用ウォッチの開発・販売です。
カロリー計算機能付、10気圧防水、水泳可能な時計ですが、
最大の特徴は指でタッチするだけで心拍数が測れること。
ランニングや水泳をしながら今の心拍数を計ることができるのです。
ひたすら走るのではなく、自分の体調を理解し、エンジョイしてほしい。そう願って開発しました。
「棄権する、勇気も時には必要です。」が「エフラン ハートメーター」のコンセプトです。
今後の事業展開をお教えください。
もっと一般の方がどこでも使える手軽な機械へと進化させたいと考えています。
そのためには、精度の高いシステムにすることと、一般化することが必要。
人の体の構造はそれぞれ違います。
ひとりひとりの生体を調べることは困難な作業です。
臨床をていねいに、そして沢山行わねばなりません。
このシステムは今世の中にない、新しいもの。当社独自のオリジナルテクノロジーです。
能力を持った専門家の協力も仰ぎながら、世の中で活用できる身近な技術になるよう
努めていきたいと考えています。

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