大震災の影響で労働者を休業させたら、どうなる?

 


労働基準法では、「使用者の責めに帰すべき事由」によって従業員を休業させた場合、1日につき平均賃金の60%以上の休業手当を支払わないといけない、ということになっています。


 では今回の東日本大震災による、直接・間接的な被害が理由の休業については、「休業手当」の支払は必要なのでしょうか?


 


●事業場の施設・設備が直接的な被害を受け労働者を休業させた場合●


 直接的な被害を受けた場合には、休業の原因が「事業主の関与の範囲外」のものであり、事業主が通常の経営者として最大の注意を尽くしてもなお避けることのできない事故に該当すると考えられますので、原則として「使用者の責に帰すべき事由による休業」には該当せず、休業手当を支払わなくても違法ではないと考えられます


●原材料の仕入、製品の納入等が不可能となったことにより労働者を休業させた場合●


 地震で、事業場の施設・設備は直接的な被害を受けていないが、取引先や鉄道・道路が被害を受け、原材料の仕入、製品の納入等が不可能となったことにより労働者を休業させた場合は、原則として「使用者の責に帰すべき事由による休業」に該当し、休業手当の支払いが必要と考えられます


 ただし、取引先への依存の程度、輸送経路の状況、他の代替手段の可能性、災害発生からの期間、使用者としての休業回避のための具体的努力等を総合的に勘案し、休業手当の支払が必要ないと判断されることもあります。


 個別のケースについては、ご相談下さい。

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